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横浜コミュニティデザイン・ラボ スタッフブログ

横浜市中区に拠点を置くNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボのスタッフによるブログです。

「しかたがない」の壁をこえていけ。NPOの事務をHackしてみよう会議。〜具体的な解決策のその前に〜

ジムのジム 事務局から

先月発生収支把握のための記帳作業という、フライデーナイトにやると

魂が濁るだけのお仕事に従事していたとき、

インターンの子が、「隣の部屋でやってるイベントの食事、差し入れです」

といって、小皿の上に玉ねぎスライスエベレストを建立してくれました。

タンパク質は足りていませんが、血液はサラサラな鮫肌です。

 

 

イベントスペース運用したり、来客の対応したり、ブログ書いたり、

ハチミツ絞ったりしている合間に、事務をしているので、

落ち着いて肉と向かい合う時間がなかなか取れません。

 

というのも、私がこの団体に入るときに、2人いた事務局職員の先輩が、

産休・転職でどちらもいなくなる、という事態が起きてまして。

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 事業の旗ふりなど、実務に関わられる理事2名、事務局スタッフ2名、

学生のインターンの方数名で運用してきたこの組織。

 

4月に新潟の山奥から引っ越してきて、私が横浜の地を初めて踏んだ瞬間には、

これまでの事務局全員いない、インターン中村先輩が職員として入ってくれたという状況。

簿記の理論や、職員採用時に提出する書類を知っているのは、職員0日の私のみ、

という恐るべき事態でございました。

 

そんなこんなで、来た初日から経理人事部長就任です。

…ファッ!!!

 

記帳から振込、レシートを裏紙に貼る作業までやらねばなりません。

あと、人事関係の念書や、総会で提出する報告書といった「オトナの」作文作業も

もりもりやっています。

  

横浜や世界に向けて、おもろいことかっこいいことを創っているけど、

組織の中に向けても外に向けても、自転車操業ちりんちりんな

非営利団体あるあるな現状が待っていました。 

 

でも、思うのです。

 

「あれ、これおもろいんちがう?」

 

私は、この団体にくる前に、過疎地で情報紙を作ったり、

商店街の青空市で子どもが集まる工作教室を開催したりしていました。

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 こんなところに住んでました。毎年積雪3mいきますね。

 

 集落のためにがんばる父ちゃん母ちゃんと付き合ううちに、

「お金じゃない価値を作るために動く人が、

ミッションに150%力を出せる状況を、

彼らの気づかないうちに作るために200%働く黒子」になりたいなと

思うようになりました。

 

経理や人事の仕組み作りを0から任せてもらえる今の状況は、

まさに自分のやりたかったことの全権を任せてもらえているわけです。

 

あと、もう一つ思うことがあります。

 

とある会計WEBサービスのサポートデスクの方から、電話でこう言われました。

 

「私たちの商材を使ってもらえれば、経理という雑事から離れて、

クリエイティブな本業に専念できます!」

 

私、この言葉にすごく「もやっ」としました。

経理って、いわゆる「作業」の多い面倒なものです。

でも、「自分たちの団体が、毎日何を大事にして、社会の何を変えようとして

やってきたのか」という生々しい痕跡が、はっきり見える仕事なんじゃないのか。

 

その痕跡を明らかにすることは、すごくクリエイティブな仕事じゃないのでしょうか。

 

「こんな感情どうしようか」な気分に、ふと読んだ本の一節が、回答への糸口をくれました。

ちょっと長いのですが、引用しますね。

このブログでも何回か紹介している、市民のためのものづくり工房「ファブラボ」

についての論考です。

 

ファブラボというプロジェクトの起源は、MITにもともとあった技術の社会的展開の活動の中、彼ら自身が直面した限界を突破するために生まれた方法=Howであった。しかしいま、その活動を私たち自身の生きる文脈に「転地」し、適合させながら改変し、自分たちに合わせながら、しかし同時に「自分たちも変わっていく」ためにこそ、これを応用しようとするならば、必要なことは何か。それは「何を、なぜ行なうのか」ー目的と利用の(再)設定である。それを指定することには「ことば」が必要だ。その「ことば」は、果敢な実践と両輪となって前進するためのものでありながら、かつ発見的・再起的に問い直すこともできる種のものでもなければならないだろう。

出典:

FABに何が可能か  「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考

FABに何が可能か 「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考

  • 作者: 田中浩也,門田和雄,久保田晃弘,城一裕,渡辺ゆうか,津田和俊,岩嵜博論,すすたわり,水野大二郎,太田知也,松井茂
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私は、日々経費としてきられる文房具のレシートも、会員さんに送るメルマガも

みんな我々の団体を表現する「ことば」だと思っています。

その一つ一つを記録し、「私たち」の動きを精査可能な「データ」にすることで、

「私たち」が創りたい未来の形が具体的になる。

そうすることで、「私たち」の次の行動ひいては、団体のありかたを「よりよくする」

きっかけになるのではないか。

 

経理や人事といった事務や、会員管理業務(この「管理」、という言葉めっちゃ嫌いですが)はその力があると私は信じています。

 

さらにFinTechと呼ばれる、金融に関する新しいITサービスの発展によって、

この力を経理やITの知識をあまり持っていない人でも、活用しやすくなってきています。

 

ちょっと長くなったので、具体的な道具の活用方法は次回からにしますが、

「楽じゃないけど楽しい、「社会をカイゼンする」団体の「業務カイゼン」」

について、皆さんにシェアしながらよりよい方法を作り出していける場を、

ここから作りたいと思っています。

 

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pepperくんも待ってるよ!