~ある日のさくらWORKS<関内>~
こんばんは、ラボスタッフ中村です。
夏真っただ中となり、遊びたいですよね!そんなわけで…
今日は3Dプリンター講習会に参加してきました。
中村:そもそも、3Dプリンターって何ですか?
FabLab Kannai管理人立川氏:
3Dプリンターとは、パソコンから図形をプリンターに出力するように、座標データから立体を成型出力するものです。
中村:ほうほう、つまり…
こういう錬金術ですよね!
立川氏:違います。まあ、実際に使ってみるのが分かりやすいと思います。
3Dプリンター講習会始まり!
~デザインを制作してみよう~
立川氏:
3Dプリンターで出力(物を作る)するためには、「AUTODESK FUSION 360゜」というソフトウェアを使用してデザインを製作します。
まずは、これを
こうしてこうします。
そうすると、
こうなります。
それでもって、ここをこうして
こうなります。
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??
??????
説明しよう!
FabLab Kannai管理人立川氏が、ソフトウェアでデータを作成し、3Dプリンターで
成型し、完成するまではわずか0.05秒に過ぎない!
では、作成プロセスを中村による再現でもう一度見てみよう!
立川氏:
今回作成するのは、豚です。豚の胴体とお尻のパーツを3Dプリンターで作成し、ワインコルクの胴体に付けます。
まずは、下記写真左側の豚のお尻側を作りましょう。
立川氏:まずは、ソフトウェアの基本設定を行います。
作業をやりやすくするために、今回使用するコマンドをメニューに追加し、表示させます。
中村:
好きなコマンドを追加して、自分だけのメニューをつくろう!
立川氏:
僕の話聞いてますー?
ソリッド(円柱)を作る
立川氏:
お尻のパーツの外観であるソリッド(円柱)を作成します。
立川氏:ソリッドをくり抜き、コルクが入るようにします。
立川氏:これで、ソリッドの完成です。
ソリッド(直方体)を作成する
立川氏:次に、豚の足の部分となるパーツを作成します。
立川氏:直方体を作った後は、円柱部分にくっつけます。
中村:合体!パイルダーオン!
立川氏:動画で紹介しますね。
合体完了!
ちなみに、このソフトウェアならば、失敗したときでも…
過去の作業履歴の中から戻ることができます。バックトゥ・ザ・フューチャー!
豚の足をつくろう
立川氏:
それでは、直方体の一部を切り取り、足先にします。
「押し出し」というコマンドを使用して、足先を切り取ります。
中村:はっけよーい!のこった!
立川氏:言うと思いました。
立川氏:このようにして、カットします。
中村:また、つまらぬものを切ってしまった…
立川氏:足先をカットして、豚の爪の部分を作ります。
中村:豚の詰め物?
立川氏:ソーセージは作りません。
立川氏:
それでは、次に「フィレット」をかけて豚の爪先をなめらかにします。「フィレット」とは、尖った角をなめらかにするコマンドです。
中村:僕の尖った個性は「フィレット」とやらでもなめらかに出来ませんよ。
立川氏:そうですか。
フィレットにより、爪先が…
滑らかになりました!
立川氏:それでは、1個作成したお尻のパーツをコピーして、顔パーツを作成します。
立川氏:耳や豚鼻をつけます。
中村:ケーキのデコレーションみたいな感じですね。
立川氏:
それでは、これにてデザイン制作は完了です。次は、3Dプリンターで出力してみましょう。
3Dプリンターで出力する
データを3Dプリンターに移す
立川氏:今回使用する3Dプリンターに適した形に、データを移します。
立川氏:
データを移して、作成する本体とは別に、出力(作成)時に本体を支える台となる
床面を作成します。
3Dプリンターを設定します。
3Dプリンター起動!
立川氏:今回使用する3Dプリンターはこちらです。「UP PLUS2」という機種です。
中村:モビルスーツのRX-78という型番みたいなやつですね。
中村:隣にくっついているカタツムリみたいなオレンジの奴は何ですか?
立川氏:これは、フィラメント(材料)をノズルを通して、3Dプリンターに供給するものです。
立川氏:
まず、電源を付けましょう。
電源を付けると、緑と赤のランプが点滅します。
赤から
緑へ
中村:
3Dプリンターは地球上では3分間しか活動できないのだ!
エネルギーが少なくなるとランプが赤に変わる。
危ない!3Dプリンター‼
立川氏:真面目な顔して、嘘言わないでもらえますか?
立川氏:
フィラメント(材料)をノズルから供給します。今回使用するフィラメントは
PLAという成分解性プラスティックです。
パキッと折れやすく、耐久力が低いですが、土の中で微生物が分解してくれるという材料です。
立川氏:フィラメントには他にも、ABSと呼ばれるレゴブロックで使用されるような材料もあります。これは色を塗ることが可能であり、「ネバッ」「グニャ」と曲がる反面耐久力が高くなっています。
立川氏:「挿入ボタン」を押すと、ノズルの温度を上げてマテリアルを溶かし、ノズルから出し始めます。
立川氏:
次に、キャリブレーションを行います。
キャリブレーションとは、材料を注ぐ「ノズル」部分(下記写真白パーツ)と、注がれた材料が置く台「プラットフォーム」(下記写真黒パーツ)の高さを調節することです。
ノズルと台の距離が近すぎると、出力時にノズルがプラットフォームを引きずってしまいます。
遠すぎると、ノズルが出した材料が動いてしまい、うまく作成できません。
ノズルと台の距離はコピー用紙2枚分が入るくらいがベストです。
中村:
距離が近すぎれば片方が片方の人生を引きずる、
遠すぎれば片方の事情に片方が振り回されてしまう、恋愛の様ですね。
立川氏:知りません。
立川氏:
プラットフォームは「左前・右前・中央・左奥・右奥」などから移動することができます。
~キャリブレーションの様子(動画でご覧ください)~
https://www.youtube.com/watch?v=CbmLtZTVuYo
中村:これって、あれですよね!サンダーバードのやつですよね。もしくは、ウルトラホーク1号がカタパルトを上がっていくシーン。
立川氏:平成生まれなのに、なぜそのチョイス…。
立川氏:
3Dプリンターで出力するための設定をいじります。
3Dプリンターで出力する際に、外枠とは別に中身のマテリアル密度をどれくらい充填するか変更します。
中村:
例えると、見せかけの愛だけではなく、中身のある愛が欲しいと求めているような感じでしょうか?
立川氏:
例えると、おまんじゅうの皮の部分だけを作るのではなく、あんこを豊富に入れるように3Dプリンターに指示する感じですね。
フィギュアのような外見だけを求める作品ならば、中身の密度を少なくしてスカスカでも良いのですが、耐久力を求めるようなものならば中身の密度を高くして頑丈にする必要があります。
立川氏:
3Dプリンターの出力(作成)速度を変更できます。
・精度が低くなる半面速くなる「ファイン」
・精度が高くなる分時間がかかる「ノーマル」か、
・中間「ファスト」
の選択が出来ます。
立川氏:
出力(作成)する時には「サポート材」の有無を選択することができます。
サポート材とは、マテリアルのたれを防ぐために、下に支えを作ります。
あとで切り離すことができます。
中村:自転車の補助輪的なやつですね。
3Dプリンター、動く!出力開始!
立川氏:それでは、3Dプリンターを動かして、製作しましょう。
中村:いよいよ動かしますね。魔法の呪文を唱える必要はありますか?
立川氏:呪文に頼らず、きちんと手順を踏んで、3Dプリンターを起動させましょう。
起動して動いている様子を、動画で紹介します。
~3Dプリンターによる制作風景~
https://www.youtube.com/watch?v=O-2RLx7GGB0
①溶けたマテリアルが、ひもの様に出てきます。
②マテリアルを注ぎながら、ノズルが動き続けることで形が出来上がっていきます。
③出来上がりです
出来上がったものがこちらです!豚の顔と前足の部分です。
写真がぼやけているように見えるのは、気にしない方針でいきましょう。
同じ要領で、豚のお尻と後ろ足部分を出力します。
出力したときに付いていた床面はペンチで切り取りましょう。
前と後ろを揃えてみました。これを合体すると…
完成です!
中村:
3Dプリンター講習会は月2回、隔週で開催しています。みんなも3Dプリンター講習会で管理人と握手!
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~こちらの記事は、市民のものづくり工房FabLab Kannaiの協力でお送りしました~
FabLab Kannaiホームページ:
http://FabLab Kannai – 市民のための実験的ものつくり工房 @ 横浜・関内
FabLab Kannai Facebookページ:
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